こんにちは。渋谷区の特定社会保険労務士の高山英哲です。
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定年後に嘱託社員としての再雇用で、気づいたことがあります。
それは、今までの労務管理は通用しない、ということです。

例えば、会社の慣行として、定年退職後の再雇用契約の場合、賃金が下がることは常識としている場合。私のサラリーマン時代の会社でも同じだったように、異義をとなえる方はいませんでした。

でも、先日、定年後に嘱託社員として再雇用されたトラック運転手3人が、職務の内容は変わらないのに賃金を約3割引き下げられたのは違法とし訴訟をおこしました。

東京地裁は「同じ職務内容での賃金格差は不合理だ」とし、差額の支払いなどを命じました。
定年後の再雇用社員に対し、労働契約法第20条の適用を認めた初めての判決です。

定年後賃下げ「不合理」再雇用の運転手勝訴/東京地裁http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/hanrei/20160518.html

だから、私たちは、今回の判決を受け、定年退職後の再雇用契約につい学び直す必要があります。

判決によると、3人は正社員としてセメント輸送で仕事をしていました。
60歳で定年を迎えると1年ごとの嘱託社員として再雇用され賃金を引き下げられました。

正社員と仕事の内容や量が同じなのに、定年後に賃下げを迫られるケースは少なくないと思います。

今回の判決を踏まえ考察すれば、職務内容等の労働条件について、「正社員と相違の有無」を改善すること。まずはこの1点で、リスク回避をすることが実現できます。

端的にいえば、全く同じ内容の仕事をさせないことです。
言葉では簡単ですね。慣行的なものを、今すぐ変えろといっても容易ではありません。

この課題については、今後も具体的な労務管理の手法を交えて提言していきます。

渋谷区の特定社会保険労務士の高山英哲でした。
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