誰も守ってくれない

監督 君塚良一

佐藤浩市

志田未来

松田龍平

石田ゆり子

佐々木蔵之介

佐野史郎

木村佳乃

柳葉敏郎

公開前日のテレビドラマで

心を惹き付けられた。

シャブ中毒で荒れまくる松田龍平を

献身的に受け止め、彼の復帰を目指す

佐藤浩市の姿が目に焼きつく。

同時に【心の傷】をひた隠しながらも

真直ぐに、任務遂行のために突き進む

佐藤浩市を応援したくなった。

ドラマの最後では、未成年の長男が

小学生姉妹殺人事件の容疑者として逮捕。

えっ!!!この後、

どうなるんだと思ったら・・・終了!!!。

続きは、映画館で。

これを観てしまったら、

映画館へ向かう気持ちを

止めることはできないでしょう。

しかも【踊る大捜査線】シリーズで

脚本を手掛けた君塚良一が

この映画では、脚本と監督を兼ねている。

期待を裏切ることはないでしょう。

過熱するマスコミ報道から

容疑者家族の保護をテーマにした作品。

前半はジェットコースターように。

展開されるシーンの連続は

さすが【踊る大捜査線】のスタッフ。

スクリーンに吸い込まれる。

観ている人を飽きさせない。

異常な報道合戦、容赦ないマスコミ。

一度暴走したら

歯止めが効かなくなる取材には

チョット、違和感があるけどね。

後半からは、刑事と犯人の妹の

人の心に深く眠っている。

闇の部分を、静かに

紐解いていくストーリへと変わっていく。

第2幕は、全く別の映画のようだ。

刑事と容疑者の家族と被害者の親。

高い垣根が、付きまとう。

これは、決して拭えることはない。

先が見えない人間関係に

【緊張感】をブチ込んでいるから

スクリーンから、目を離させない。

佐藤浩市が、被害者の家族、

加害者の家族、そして自分の家族とも

全て向き合いながら。

心の傷が時に拡がり、

そして、時には癒されるシーンが

心に染みこんでいきます。

彼の演技で、最後まで

大変引き締まった作品になっている。

観終った瞬間。

佐藤浩市が、日本映画でのオファー

NO1であることの証拠が

理解できます。