二以上勤務者の算定基礎届、勤務状況をふまえた書き方

今回、あなたと学ぶのは「社会保険、2以上の事業所に勤務する方の届出」である。

昨今、二以上勤務者は算定基礎届の提出時に必須の確認事項である。算定基礎届の総括表や勤務状況をふまえて書き方については、様々な用紙にも対応も不可欠である。

同時に二以上の事業所に勤務するだの標準報酬月額は、各事業所から受ける報酬を合算して決定されます。また、各事業所における保険料は、各事業所から受ける報酬の割合により按分して計算されることも、忘れてはならない。

被保険者所属選択・二以上事業所勤務届

被保険者所属選択・二以上事業所勤務届

二以上の事業所に勤務する方の算定基礎届は、選択事業所を管轄する年金事務所から各事業所に送付する。送付された算定基礎届は、選択事業所を管轄する年金事務所に提出することになる。

ここは、押えておきたい。

算定基礎届の記入・提出ガイドブック – 日本年金機構

https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2018/201806/20180607.files/santeiguideH30.pdf

社会保険の算定基礎届:電子申請と様式変化に伴う、実務時間の増加

厚生労働省からの調査によれば、昨年あたりから、算定基礎届は電子申請が増加している。

今年の2018年あたり算定基礎届は、電子申請は多くの企業で利用されているだろう。

でも、年間平均賃金の算出方法だったり、算定基礎届 70 歳以上および算定基礎届総括表の様式が2018年から変更されることで、とまどっている企業も少なくない。

マイナンバー(個人番号)が加わったことで、様式も変化したことで、実務での時間が、今まで以上にかる要因にもなっている。

2ヵ所以上の適用事業所に使用される場合、社会保険の実務

引き続き、解説していこう。

ここからは2ヵ所以上の適用事業所に使用される場合、社会保険の実務である。知っておきたい「被保険者の資格」と「社会保険料の取り扱い」を考察していく。

被保険者の資格要件、よくある、誤りを解消するには?

複数の事業所で社会保険の加入要件を満たす場合は、それぞれの事業所で社会保険に加入することになる。つまり、どこか1ヵ所で社会保険に加入すればよいといった考えではない。

この考えが、よくある誤りだ。今すぐ!解消しょう。

解消に向けての、最初のアクションは、あくまでも適用事業所ごとに、被保険者の資格を判断し、要件を満たせば原則どおり「被保険者資格取得届」を作成し、届け出をすることだ。

しかしながら、そうはいっても、複数の事業所で被保険者となれば、健康保険証も複数枚所持することになり、混乱する。

そのため、被保険者が同時に複数の適用事業所に使用された場合には、被保険者はいずれかの保険者(健保組合、協会けんぽ、年金事務所)を選択しなければならない(健保法施行規則1条、厚年法施行規則1条)。

したがって、「被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を届け出ることになる。

被保険者所属選択・二以上事業所勤務届

被保険者所属選択・二以上事業所勤務届

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なお、選択する保険者がともに「協会けんぽ」の場合には、選択するほうの年金事務所に届け出ればよいが、健保組合を選択する場合は、所属の健保組合と管轄の年金事務所、それぞれに届け出が必要となる。

ここは、注意をしてほしい。

社会保険料の取り扱いが、よくわかる、計算方法の実務

2ヵ所以上の事業所に使用されると、社会保険料の取り扱いが複雑になる。

その理由は、社会保険料等の計筧に用いる標準報酬月額は、それぞれの事業所で受ける報酬月額を合筧した額で決定されるからだ(健保法44条3項、厚年法24条2項)。

そのうえ、社会保険料は合筧して決定された標準報酬月額による保険料額となり、各事業所がその報酬月額によって案分した額を納付する。

具体例をあげると、たとえば、A事業所での報酬月額が100万円、B事業所での報酬月額が50万円のケースでは、それぞれの報酬月額を、合筧した150万円で標準報酬月額が決定され、健保が139万円、厚年が62万円となる。

社会保険料は、それぞれの事業所の報酬月額で、案分する。

健保分だと、A事業所が(139万円×保険料率)×100万円/150万円、B事業所が(139万円×保険料率)×50万円/150万円で計筧した額を、それぞれ、納付することになる。

したがって、これまでのように、単純に標準報酬月額に保険料率を掛けて算出するのではない。

保険者から送付されてくる保険料額の通知書に基づき、給与計筧することになる。だから、注意が必要だ。

 

代表取締役と2以上の事業所に使用される者

最近、よく質問を受けるのは、代表取締役が「2以上の事業所に使用される者」に該当するか、否かである。

今後、代表取締役が、子会社でも代表取締役となり、報酬を受ける場合、その子会社においても「使用される者」として、社会保険に加入しなければならない。

また、「2以上の事業所に使用される者」にも該当するので、親会社と子会社が加入する保険者の保険料率や付加給付等を比較した上で保険者を選択し、「被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を届け出ることが必要だ。

この場合、親会社と子会社の保険者がまったく同じであっても届け出は必要となり、いずれか一方を主たる事業所として選択する。

ここで、押えておきたいのは、2ヵ所以上の事業所に使用されると社会保険料が案分されて計筧されることになるため、上記届け出が遅れると、その分だけさかのぼって社会保険料を調整する必要が生じることだ。

さらに、健保組合等によっても手続き方法が異なる場合があるので、事前に健保組合等に確認し、すすめるべきだ。

算定基礎届の記入・提出ガイドブック – 日本年金機構

https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2018/201806/20180607.files/santeiguideH30.pdf

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最後まで、お付き合いいただき、ありがとうございました。

あなたの会社の、改善の一助になれば幸いである。

渋谷の社会保険労務士の高山英哲でした。お客様皆様の声
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