こんにちは。渋谷区の特定社会保険労務士の高山英哲です。

健康保険の傷病手当金・出産手当金。 対象者にとっては非常にありがたい給付です。
給付内容、支給要件については、ご存知だと思います。端的にいうと、次のとおりです。

傷病手当金は、病気休業中に被保険者とそのご家族の生活を保障するために設けられた制度で、被保険者が業務外の病気やケガによる療養のために仕事を休み、給与(報酬)を受けられないときに、申請により支給を受けることができます。

出産手当金は、傷病手当金と同様、被保険者とそのご家族の生活を保障するために出産の前後における一定期間内において被保険者が出産のために仕事を休み、給与(報酬)を受けられないときに、申請により支給を受けることができます。

傷病手当金・出産手当金の給付金額の計算方法について、平成27年度健康保険法改正が行われました。

今回の改正の大きなポイントは、平成28年4月から、支給開始される前1年間の給与を基に計算された金額で支給されます。

支給開始される前1年間の給与を基に計算された金額で支給されることで、実務的に大きく変更されます。

https://www.1roumshi.com/wp-content/uploads/2017/04/280201seidokaisei.pdf

【よくある】ご質問!傷病手当金・出産手当金の給付金額の計算方法の6つポイントをご案内いたします。

ポイント1:休業する6ヶ月前に転職しています。平均の標準報酬月額の計算方法は?

A. 転職する前にも協会けんぽに加入しており、離職していた期間が原則1ヶ月以内であれば、転職前後の標準報酬月額を通算して計算します。

ポイント2:月の途中で退職・再就職しましたが、その月は、前の会社の標準報酬月額と今の会社の標準報酬月額のどちらを使用するか?

A. 今の会社の標準報酬月額を使用します。ただし、その月から支給を開始する場合は、支給開始日の標準報酬月額を使用します。

ポイント3:傷病手当金を受給していますが、その後、標準報酬月額が変更になりました。支給金額は変わりますか?

A. 支給金額に変更はありません。ただし、支給を始めた日以前の支給金額の計算に使用した標準報酬月額が変更になった場合はこの限りではありません。

ポイント4:平成28年4月より前から傷病手当金を受給していますが、平成28年4月からの支給金額は変わりますか?

A. これまでに傷病手当金を受給していた方も平成28年4月1日支給分から、新しい計算方法で支給金額を計算します。

ポイント5:傷病手当金を申請していますが、給与の支払いがあるため、退職後から受給します。この場合、平均の標準報酬月額はどのようにして計算しますか?

A. 退職日の翌日が支給開始日となった場合、退職日の月の標準報酬月額と、それ以前の標準報酬月額を使用して計算します。

ポイント6:傷病手当金を受給している最中に、別の傷病が発生しました。支給金額は変更されますか?

A. 傷病手当金の受給中に、別の傷病によっても労務不能となった場合、それぞれの支給開始日により支給金額を計算し、金額の高い方を支給します。

●傷病手当金と出産手当金の関係

平成28年3月までは出産手当金を支給する場合、その期間については傷病手当金を支給しないことになっていますが、平成28年4月から、傷病手当金の額が出産手当金の額よりも多ければ、その差額を支給することになります(【参照】改正前は、傷病手当金と出産手当金の両方が支給される場合には、出産手当金が優先され、出産手当金が支給される期間、傷病手当金は支給しない)。

いかがですか?

「絶対」という言葉をつかいましたが。。理解できましたか?

あなたと社員の皆様とで、しっかりコミュニケーションを取って、変更点をフォローしていく必要がありますよ。社員への周知方法についても検討してくださいね。

 【傷病手当金・出産手当金の給付金額の計算方法】
平成28年4月から出産手当金、傷病手当金の計算方法が変わります。
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