こんにちは。渋谷の特定社会保険労務士の高山英哲です。http://www.1roumshi.com/

施錠された狭い部屋からの脱出を決心する!映画「ルーム」を鑑賞した。ただ息をしているだけでは、人生とは言えません。何かに挑戦してこそ生きる意味があるから。子供の頃から死力を尽くして闘う映画からはあついもの。そぉー何かあついもの、を感じた。

えっ!青臭いって?俺のこと?何と言われようが結構です!
青臭くてもいいでしょう。青臭くない志なんて、どこにもないからね。

何かを求めるとき、リスクが伴うのは当然。「ルーム」主演の少年から、人が成長する過程での大切さを教わった。気が狂ったように、新しいものに興味を抱き、新しいものに飛びつき、新しいものを試し、新しいものに手を出す。

それって、子供だけではなく、私たち大人だって同じこと。常に、社会に適応していくために、生まれ変わろうとすること。それに気づけるかどうかで人生は決まる。。と感じた。チョット大袈裟かなぁー。

飲食店、レストランチェーンでも大切なことは、同じ。それに気づけるかどうかだ。例えば飲食店、レストランチェーンでの人事異動。配置転換、出向命令で悩むことは少なくない。

昨今、飲食店、レストランチェーンの人事異動、労務管理においても、労使間の紛争を防止するためにも欠かせないポイント。そんな皆様には「適切な労務管理のポイント」は必読です。

【適切な労務管理のポイント】
http://www.1roumshi.com/wp-content/uploads/2017/04/69aec2b2e0b9a42bbc0df6610933aad2.pdf

法令や労使間で定めたルールを遵守することはもちろん、事前に十分な話合いを労使間で行うことや、お互いの信頼関係や尊厳を損ねるような方法を避けることは、労使間の紛争を防止するためにも欠かせないことです。

そんなことは、当然だよぉー。だけど。。。なかなかできそうで、できないことなんでしょうね。前にも、少し触れましたが、飲食店、レストランチェーンでは配置転換、出向命令については、悩むことが少なくないでしょう。

あなたのお店でもそうですか?なかなか他店舗への異動は応じてくれないって?
んーーー。。。そうですかぁー。

じゃぁー、人事異動。そうですね~ まず配置転換について考えてみましょう。
まず、配置転換を命じるには、就業規則等にその根拠を置いていただくことが望まれます。

裁判例によれば、配置転換命令の業務上の必要性とその命令がもたらす労働者の生活上の不利益とを比較衡量し、権利濫用に当たるかどうか判断される場合があるとされています。注意してくださいね。

まずポイントの1
やはり最初は、育児・介護休業法から考察します。

事業主は、従業員に就業場所の変更を伴う配置の変更を行おうとする場合に、その就業場所の変更によって子育てや介護が困難になる従業員がいるときは、当該従業員の子育てや介護の状況に配慮しなければなりません。(育児・介護休業法第26条)

裁判例からも考えてみましょう。

転勤命令について、業務上の必要性がない場合又は業務上の必要性かおる場合であっても、他の不当な動機・目的から転勤命令がなされたとき、もしくは転勤命令が労働者に対し通常受け入れるべき程度を著しく超える不利益を負わせるものであるときには、当該転勤命令は権利の濫用になる。(最高裁第二小法廷 昭和61年7月14日判決)

何もかも忘れて没頭できる仕事であれば、転勤命令を受けてもOK!との考えもありますが。。
まずポイントの2は不利益がキーワードです。

※配置転換命令が無効とされた裁判例

自らの社内での配置先を探させられるほかは単純労働のみを行うような部署へ配属することは、人事権の裁量の範囲を逸脱した違法なものとして無効となる場合があるとする裁判例があります。

これに類似するような、社内配置転換一子会社や人材会社等へ出向させ、配置転換先等で自らの次の配置転換先、再就職先、出向先を探させるような業務命令は、働く方々が安心して働ける職場環境という観点からは、不適切であることから、配置転換等を命じるに当たっては、業務上の必要性やその目的等を十分に踏まえた上で対応するようにしてください。

裁判例をみてみましょう。

人財部付に配属された社員は名刺も持だされず、社内就職活動をさせられるほかは、単純労働をさせられたのみであること、人財部付の制度の運用が開始された当初は、配属先が見つかればD評価、見つからなければE評価という運用がなされていたこと、電話にも出ないよう指示されていたこと等を総合すると、人財部付け実質的な退職勧奨の場となっていた疑いが強く、違法な制度であったといわざるを得ない。

人財部付で他の異動先が見つがらなかったメンバーはいずれも業務支援センターに配属されていること、他部署から受注した業務の大半は単純作業であること、業務支援センターのメンバーは社内ネット、イントラネット上の人財部ホルダーやチームサイトにアクセスができない状況にあること、人財部担当者一覧には、業務支援センターの名前、メンバーの氏名などが一切記載されていないこと等を総合すると、到底、人財部の正式な部署といえるような実態ではなく、人財部付の延長線上にあるといわざるを得ず、違法な実態を引き継いでいると認められる。

そうすると、原告に対する人財部業務支援センターへの配転命令は、人事権の裁量の範囲を逸脱したものでありその効力はないと解するのが相当である。(東京地裁立川支部 平成24年8月29日判決)

自分の人生を「会社」から取り戻せ!裁判官がバッサリ切った判決です。
続いて出向です。出向の定義は次のとおりです。

(在籍)出向を命じるには、個別的な同意を得るか、または出向先での賃金・労働条件、出向の期間、復帰の仕方などが就業規則等によって労働者の利益に配慮して整備されている必要があるされています。

出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情等に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、その命令は無効となります。転籍については、労働者本人の同意(合意)を要するので、使用者は一方的に労働者に転籍を命じることはできません。

労働契約法をみてみましょう。

使用者が労働者に出向を命ずることができる場合において、当該出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、当該命令は、無効となります。(労働契約法第14条)

 ポイントの3は、必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情です。う~ん、これも実態で判断をすることとなると容易ではないですね。

引き続き、出向命令が無効とされた裁判例を考察します。

一貫してデスクワークの仕事をしてきた労働者について、希望退職募集への応募の勧奨を断った段階で、子会社に出向させて単純作業に従事させた場合は、当該出向は、退職勧奨を断った労働者が自主退職することを期待して行われたものであり、業務上の必要性がなく、また、人選の合理性も認めることもできず、権利の濫用に当たり無効となる場合があるとする裁判例があります。このような出向命令は、働く方々が安心して働ける職場環境という観点からは、不適切であることから、出向を命じるに当たっては、こうした裁判例や労働契約法第14条の規定を十分に踏まえた上で対応するようにしてください。

裁判例をみてみましょう。

…固定費削減の具体的な方策の一つとして、作業手順や人員配置を見直し、それによって生じた余剰人員を外部人材と置き換えること(事業内製化)で人件費の抑制を図るうとすることには、一定の合理性かおるというべきである。・‥事業内製化による固定費の削減を目的とするものである限りは、本件出向命令に業務上の必要性を認めることができるというべきである。

余剰人員の人選が、基準の合理性、過程の透明性、人選作業の慎重さや緻密さに欠けていたことは否めない。・‥余剰人員の人選は、事業内製化を一次的な目的とするものではなく、退職勧奨の対象者を選ぶために行われたとみるのが相当である。…子会社における作業は、立ち仕事や単純作業が中心であり、原告ら出向者には個人の机やパソコンも支給されていない。

それまで一貫してデスクワークに従事してきた原告らのキャリアや年齢に配慮した異動とはいい難く、原告らにとって、身体的にも精神的にも負担が大きい業務であることが推察される。

・‥本件出向命令は、退職勧奨を斷った原告らが翻意し、自主退職に踏み切ることを期待して行われたものであって、事業内製化はいわば結果にすぎないとみるのが相当である。

…本件出向命令は、事業内製化による固定費の削減を目的とするものとはいい難く、人選の合理性(対象人数、人選基準、人選目的等)を認めることもできない。 したがって、…本件出向命令は、人事権の濫用として無効というはかない。(東京地裁 平成25年11月12日判決)

 余剰人員の人選が、基準の合理性、過程の透明性、人選作業の慎重さや緻密さに、人選の合理性(対象人数、人選基準、人選目的等)で人事権の濫用として無効ということですね。。。この判決から考えると出向も転籍と同じように、できれば労働者からの同意をもらっていた方がいいのでしょう。

今後も、配置転換、出向命令の有効性等については、追っかけで考えていきます!

【適切な労務管理のポイント】
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渋谷の特定社会保険労務士の高山英哲でした。http://www.1roumshi.com/