渋谷の社労士の高山英哲です
警備員の仮眠時間を労働時間として割増賃金(残業代)を支払う理由

こんにちは。

警備員として労働時間の途中に定められた仮眠時間は労働時間に当たるのか。

 大星ビル管理事件  
審判 最高裁判所
裁判所名 最高裁判所第一小法廷
事件番号 平成9年(オ)608号、609号
裁判年月日 平成14年2月28日
裁判区分 判決
全文 大星ビル管理事件(最高裁判所平成14年2月28日判決)PDF(Adobe Acrobat)
労働基準法 第32条(労働時間)労働基準法逐条解説(コンメンタール)
コンメンタール
(抜粋)
大星ビル管理事件(抜粋)

 イオングループの警備会社「イオンティライトセキュリティ」の社員が未払いの割増賃金など約700万円の支払いを求めた訴訟がありました。

千葉地裁は割増賃金と制裁金に当たる「付加金」の計約177万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。

会社は「仮眠時間は労働時間から除外する」として賃金を支払っていなかったといわれています。

では、警備員の仮眠時間を労働時間として割増賃金(残業代)の支払う理由は何でしょうか?

そもそも労働時間の途中に与える「休憩」とは?

確かに、仮眠時間は労働時間の途中に与える「休憩」と同じようなものです。

事業所の仮眠室などのベット、布団で横になり、消灯し熟睡することもあるでしょう。

この場合は、仕事から解放され、従業員が自由な時間として使えることといえます。

仮眠時間は心身ともに安らぎが持て、その後の仕事にも集中できることは間違いありません。

警備員のような深夜勤務が発生する場合、仮眠時間は休憩として非常に有意義な時間であります。

しかしながら「休憩」といっても、仕事から解放された自由な時間とはいえない場合があります。

例えば、昼休み中、交替で電話当番など与える会社があります。

ほとんど電話はかかってこないとしても、受けた電話の受け答えなどで、担当者はゆっくり食事ができません。

仕事をしている時間でなくても、会社内で一定の場所を離れられない場合、電話当番などをしている時間を「手待時間」といいますが、この時間は仕事から解放された時間とは、いえません。

仕事をしている状態ではないけれど、すぐに仕事に取り掛かれるように準備しておかなければならないこの時間帯を「手待時間」といいます。

この「手待時間」は、労働時間です。

今回の「仮眠時間」の正体は、この「手待時間」と類推したものといえます。

「仮眠時間」の正体

仮眠時間の正体は以上述べたとおりですが、この背景には何があるのでしょうか。

それは、現場での警備員の人員不足が原因です。

こういった状況で、仮眠時間は仕事から解放された自由な時間ではなくなり、仮眠時間の実態は、名ばかりの休憩時間となっています。

仮眠時間中にも呼び出しがあり、仕事の準備してておかなければならない。

定期的な巡回も必要が必要。

加えて、警報装置の作動や外部からの連絡への対応、設備の補修などに応じなければならない。

仮眠時間中は決して労働から開放されているとは、言えません。

警備員の仮眠時間の最高裁判所の判例です。いっしょにみてみましょう。

 大星ビル管理事件  
審判 最高裁判所
裁判所名 最高裁判所第一小法廷
事件番号 平成9年(オ)608号、609号
裁判年月日 平成14年2月28日
裁判区分 判決
全文 大星ビル管理事件(最高裁判所平成14年2月28日判決)PDF(Adobe Acrobat)
労働基準法 第32条(労働時間)労働基準法逐条解説(コンメンタール)
コンメンタール
(抜粋)
大星ビル管理事件(抜粋)

 

警備員の仮眠時間を労働時間として割増賃金(残業代)の支払う理由

 判決のとおり、警備員の仮眠時間を労働時間として割増賃金(残業代)の支払う理由は、労働からの解放が保障されていない仮眠時間が、労働契約上の役務の提供が義務付けられているためです。

しがって仮眠時間は、労働基準法上の労働時間に当たります。

使用者にはその時間の労働に対する賃金支払義務が生じ、通常の賃金額を算出し、これによって算定した割増賃金を支払わなければなりません。

社会保険労務士、渋谷区の高山英哲でした。
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