社会保険労務士の渋谷区の高山英哲です!http://www.1roumshi.com

こんにちは。

今回は、22年以上にわたって正社員とそれほど変わらない仕事をいているアルバイトに対する雇止めの労働判例です!

地方裁判所
ジャパンレンタカー事件
平成27年(ワ)232号 
津地方裁判所 平成28年10月25日判決
ジャパンレンタカー事件(津地方裁判所 平成28年10月25日判決)(Adobe PDF)

22年以上にわたり勤務していたアルバイト。
もし、あなただったら、期間の定めがない、無期契約の労働契約が締結されていると、みなされても、おかしくない?と考えますか?

通常は、22年以上にわたり勤務していたことを考慮した場合、通算雇用期間や更新回数等から、ほぼ問題なく、無期契約と同視できる場合に該当します!

このような場合、裁判実務上、実質、正社員と同じような、有期雇用アルバイトに対する雇止めの有効性は、相当厳しく判断されます。

判決でも、津地方裁判所は、22年以上にわたり勤務していたアルバイトとの労働契約は実質無期契約と同視でき、当該従業員に対する雇止めは客観的に合理的な理由を欠き無効としました。

あなたも、知っていると思いますが、有期労働契約とは、期間を定めて締結された労働契約のことをいいます。

【厚生労働省】労働契約法のあらまし(Adobe PDF)

契約更新の繰り返しにより、一定期間雇用を継続したにもかかわらず、突然、契約更新をせすに期間満了をもって退職させる等の、いわゆる「雇止め」をめぐるトラブルが大きな問題となっています。

有期労働契約は、労働契約期間を定めた契約です。期間が満了すれば終了するのが原則です。

しかし、従業員にとってみれば、複数回にわたって更新が繰り返されたんだから、感覚としては、このままずっと働くことができると思うわけです。

しばしば揉める理由は、この感覚にあります!

労働契約期間も長期に及んでいるときは、実質的に期間の定めがない労働契約と変わりません。
従業員も更新されるとの期待感を持つは当然です。

「雇い止め」の場合、従業員には精神的なダメージが大きいと思います。
「なんで俺なの?」と思う方も少なくないでしょう。

それでは、早速チェックしていきましょう。

労働契約法第19条の趣旨は?

まず、労働契約法第19条をみていきましょう

有期労働契約の更新等

労働契約法第19条の趣旨は次のとおりです。
有期労働契約は契約期間の満了によって終了するものですが、契約が反復更新された後に雇止めされることによる紛争がみられるところであり、有期労働契約の更新等に関するルールをあらかじめ明らかにすることにより、雇止めに際して発生する紛争を防止し、その解決を図る必要があります。

このため、法第19条において、最高裁判所判決で確立している雇止めに関する判例法理(いわゆる雇止め法理)を規定し、一定の場合に雇止めを認めず、有期労働契約が締結又は更新されたものとみなすこととしたものです。

ん。。。少し抽象的な表現(いわゆる雇止め法理)が多いですね。もう少し、みていきましょう。

労働契約法第19条の内容を考察する!

内容は、有期労働契約が反復して更新されたことにより、雇止めをすることが解雇と社会通念上同視できると認められる場合(同条第1号)。

またはは労働者が有期労働契約の契約期間の満了時にその有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由が認められる場合(同条第2号)。

使用者が雇止めをすることが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、雇止めは認められません。

したがって、使用者は、従前の有期労働契約と同一の労働条件で労働者による有期労働契約の更新又は締結の申込みを承諾したものとみなされ、有期労働契約が同-の労働条件(契約期間を含む。)で成立することとしたものです。

なんとなく、理解ができますが。。。「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、雇止めは認められません。」これは、裁判所の判断になるでしょう。

早速、雇止めの理由をチェックしていきましょう。

雇止めの、4つの理由は?

本件、雇止め4つの理由はを、考察していきます。

 雇止めの、4つの理由  裁判所の判断
①携帯電話の忘れ物に関する対応 適切とは認められないが、警察に届けたという次善策を
取っていることからすれば不正を行ったとまでは認められない。
②お客様からのクレーム対応 顧客対応が無愛想であっても業務に支障が出るものではない。
22年間も雇用を継続しているのに、雇止めの理由が顧客対応とは不可解。
③業務懈怠 事実を認めるに足りる証拠がない。
本件雇止めの合理的な理由たり得ない。
④睡眠障害 休養したことにより、基本的には治癒したものと認めるのが相当である。

以上のとおりです。

津地方裁判所は、会社が主張する本件雇止めの理由は、いずれも合理的な理由たり得ず、本件雇止めは客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当とは認められない。したがって、アルバイトからの地位確認請求には理由があるとしました。

いかがですか?

今回は、22年以上にわたって正社員とそれほど変わらない仕事のアルバイトに対する雇止め事案です。

通算雇用期間や更新回数等から、ズバリ!ほぼ問題なく、期間の定めがない無期契約と同視できる場合に該当していますね。

裁判実務上、正社員とそれほど変わらない仕事をしている、アルバイトに対する雇止めの有効性は、相当厳しく判断されます。注意してくださいね

【厚生労働省】労働契約法のあらまし(Adobe PDF)

地方裁判所
ジャパンレンタカー事件
平成27年(ワ)232号 
津地方裁判所 平成28年10月25日判決
ジャパンレンタカー事件(津地方裁判所 平成28年10月25日判決)(Adobe PDF)

【関連条文】労働契約法第19条 (有期労働契約の更新等)

有期労働契約であって次の各号のいずれかに該当するものの契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合であって、使用者が当該申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす。

一 当該有期労働契約が過去に反復して更新されたことがあるものであって、その契約期間の満了時に当該有期労働契約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了させることが、期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすることにより当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できると認められること。

二 当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められること。

社会保険労務士、渋谷区の高山英哲でした。
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