渋谷区の社会保険労務士です。

高山英哲

こんにちは、高山英です。

「労働基準監督署の調査は、できれば受けたくない・・・」

おそらく、飲食業、外食産業で仕事をしている方、誰もが、そのような状態を夢見ていることだろう

ただ基本さえ抑えておけば、調査を受けて改善する方法は、大して難しいことではない。

実際に、弊所の顧問先、クライアント様は、賃金不払い監督指導を受けても大難は少難、少難は無難に通っているケースが少なくない。

もし、あなたの店舗が、労働基準監督署の調査を受け、店舗を改善する方法を学びたい場合、ぜひ、このページを読み込んでみてほしい。そうすれば、なぜ、弊所の顧問先、クライアントがそれを実現できているのかが具体的に分かる。

そして、あなたも、賃金不払い監督指導を受けても大難は少難、少難は無難に通ることができるようになるはずだ。

それでは早速始めよう。

1.そもそも、賃金不払い監督指導の正体、その姿とは

それでは、賃金不払い監督指導の正体、その姿から説明しょう。

厚生労働省は、毎年、時間外労働などに対する割増賃金を支払っていない企業に対して、労働基準法違反で是正指導をしている。

この結果を取りまとめて公表している。

【厚生労働省】平成28年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果を公表します

あなたも、テレビ、新聞、ネットなど、ニュース、記事などで目にしたことは、あるだろう。

全国の労働基準監督署が賃金不払残業に関する労働者からの申告や各種情報に基づき企業への監督指導を行った結果をみてみよう。

1-1 平成28年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果のポイント

平成28年4月から平成29年3月までの期間に不払いだった割増賃金が各労働者に支払われたもの、その支払額が1企業で合計100万円以上となった事案だ。

監督指導の対象となった企業では、定期的にタイムカードの打刻時刻やパソコンのログ記録と実働時間との隔たりがないか確認し、賃金不払残業の解消のためにさまざまな取組を行った。

1-2 是正企業数は?

 1,349企業 (前年度比 1企業の増)、1,000万円以上の割増賃金を支払ったのは、184企業であった。

1-3 支払われた割増賃金合計額

127億2,327万円 (同 27億2,904万円の増)

1-4 対象労働者数

9万7,978人 (同 5,266人の増)

1-5 支払われた割増賃金の平均額

1企業当たり943万円、労働者1人当たり13万円

あなたも理解できるだろう。具体的に数字をみると、厳しい調査を実感することができる。

2.絶対に必要な、実態検証プロセス

具体的な監督指導を知らなきゃ、話にならない。

それでは、あなたと一緒に、具体的な監督指導について、2つの事例を考えてみょう。

2-1 一般飲食店 事例はこうだ

1 長時間労働を原因とする脳・心臓疾患の労災請求があった会社に対し、立入調査を実施した。

2 脳・心臓疾患を発症した労働者について、36協定を締結・届出することなく、発症前の直近1か月で  月149時間の違法な時間外・休日労働を行わせ、それ以外の労働者5名についても、月100時間を超える違法な時間外・休日労働(最長:月145時間)を行わせていたことから、指導を実施した。

3 また、同会社では、衛生推進者を選任していなかったことから、上記2と併せて指導を実施した。

2-2 把握した事実と指導内容を知る

1 脳・心臓疾患を発症した労働者について、36協定を締結・届出することなく、発症前の直近1か月で月149時間の違法な時間外・休日労働を行わせるとともに、1か月以上の間1日も休日を与えることなく労働させていたことが判明した。

2 また、この労働者以外の労働者についても調査したところ、5名の労働者に対し、月100時間を超える違法な時間外・休日労働(最長:月145時間)を行わせていたことが判明した。

3 さらに、同会社では常時10名以上の労働者を使用しているにもかかわらず、労働者の健康障害を防止するための措置等を推進する衛生推進者を選任していなかった。 

2-3 検証の分析で、みえてくるもの

検証の過程で、ある程度の事例分析だけで見えてくるものがある。確かに「単なる一事例だけじゃん」「それだけじゃ、何も理解できないよ」、との意見もあるだろう。

しかしながら、指導を受けた場合、私たちは早急に、結論を出さなければならない。当然、現場サイドとの協議も必要であり不可欠だ。

すぐにアクションを起こす必要がある「今」。
百の事例をみて、ライバル店に追われている日常で、この考えは有り得ない。

3.「うちの店舗は特殊、改善するのは無理っすよぉー」そんな、ぬるま湯体質から体質から、抜け出す方法

あなたは、監督指導例は理解できた。検証プロセスも(なんとなく)知った。

さぁーそれでは、次だ次、次のアクションへ移るとする。やるべきことを考えていく。

3-1 違反事項とは?

今回の事例からの違反事項はこうだ。

①労働基準法第32条(労働時間)違反を是正勧告

②労働基準法第35条(休日労働)違反を是正勧告

③月80時間以内への削減について専用指導文書により指導

④過重労働による健康障害防止について専用指導文書により指導

⑤労働安全衛生法第12条の2(衛生推進者)違反を是正勧告

3-2 アクションは、ひとつだけ

あなたの、アクションは何か。

ズバリ!「是正報告書を作成のうえ、実行する」ことだ。

もちろん店舗スタッフへも周知をすること。加えて、絵に描いた餅にならぬよう、実行することは言うまでもない。

あなたの店舗ではどうか。

「うちの店舗は特殊、改善するのは無理っすよぉー」、というスタッフもいるだろう。

今はない店舗だって今後「絶対、うちの店舗は、そんなスタッフはいないし、今後もない、ない、絶対にない」と言い切れるだろうか?

考えてほしい。

「うちらの飲食業は特殊な業界だ」「【普通?】の業界ではできても、飲食業界では無理だ」ってこんな考えに、どっぷりつかっていないだろうか?

残念なことではあるが、飲食業に対して、労働基準法の優遇措置はない。労働基準監督官も大目にはみてくれない。なぜならば法律は業界によって差別はしないからだ。

 

4.【優良】飲食店へ、スタートする条件は何か?

では、あなたは、どうすればいいか?

今すぐ、店舗スタッフと一緒に、汗をかいて、改善策をひねり出すことだ。

これしかない。

理由は、現場の意思を無視できないからだ。

行き詰まった場合、専門家からの助言、コンサルを受けることも必要だろう。

 

【厚生労働省】平成28年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果を公表します

具体的に言うと、今回の例で言えば、労働時間、休日労働、衛生推進者の件だ。そうすることで会社として積極的に予防策、改善策を講ずること、今後は指導を受けない対応をすることが非常に重要だ。

優良飲食店舗への道は、課題を解決できる、できないの「差」だけである。要するに、私達はまだ経験がないというときに、その「課題」を避けて通るか「とりあえず前を向いて、すすんでみょう」と思うのかの違いである。

なぜならば、最初から、優良飲食店舗への道が開けている会社は、ないからだ。したがって、あなたは、今すぐ、改善へ向けた行動をとらなければならない。最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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